福島から③

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 昨晩は、あまりの寒さに夜中に目を覚ました。セーターを着込んで寝た。それでも寒い。こんなのカイロの安宿以来だ。

 まあ被災者が寒さに震えていることを思えば、われら旅行者ごときは我慢しなくちゃならん。チェックインの際に、省エネにご協力を、と2度も念を押された。ホテル側も節電に努めているのだろう。

 それにしても、この薄っぺらな掛け布団1枚では寒すぎる。フロントに言って、もう1枚毛布を貸してもらおうか-。発展途上国で貧乏旅行していると、そういったことはしばしばある。

 他の宿泊者はよく我慢しているものだ。それとも俺自身がアフリカ仕様になっちゃって、寒さに対する抵抗力を失ったのだろうか。

 布団の中で縮こまる。でも寒すぎる。フロントに「室温を上げてくれ」と言おうか。この非常時にまずいか・・・

 もんもんと考えた挙句、ともかくフロントに電話してみようと、起き出した。フロントの電話番号は?ホテル内の案内書を読んでいたら「客室電源の入れ方」「客室エアコンの操作方法」の項が目にとまった。

 エーッ!エアコン操作パネル?室内電源スイッチ? それは分かりづらいところにあった。わが部屋はずーっと暖房が入っていなかったのだった。ホテル側があえて館内の温度を抑えているとばかり思い込んでいた。

 今朝の福島は氷点下近くまで気温が下がった。かすかに雪も舞っていた。災害難民の気持ちをちょっぴり味わった。

福島から②

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 福島滞在約20時間。よく揺れる。1977年と2000年の有珠噴火以来の体験だ。規模は全然違うけど。本震がいかに大きかったか、想像できる。不謹慎だけど、驚きを通り越して笑うしかない、大規模な地震津波だった。昨年、スマトラ・アチェの爪跡を見て、ありうるとは頭では思っていたけど日本で実際に起きるとは!!!

 この20時間に4回の緊急地震速報を受けた。

 1回は速報の直後に、1回は速報と同時に地震が来た。震度3~4か。1回はかすかな揺れに終わり、あとの1回は私が屋外にいたせいか何も感じなかった。

 震度4の一番強い揺れを感じた時は、速報が出なかった。

 緊急速報の仕組みが、なんとなく推測できる。各地に設置した地震計の1つでも、一定以上の揺れを感知したら即、速報を出しているな? 複数の地点から情報を集めてマグニチュードや震源を求めて・・・という時間的余裕はない。

 もともと巨大地震に備えてのシステムだから、余震程度の小規模地震には効果的でない。揺れの激しい震源に近いところは、近すぎて速報が間に合わない。遠いところは揺れが減衰されて小さくなる。これは緊急地震速報の『欠点』というより、『前提』である。だから、速報が出たからといって揺れが来なくても、速報がなくても4,5程度の揺れがあったとしても、しょうがない。

 電波速度が地震波速度よりも速いことを利用したのが、この仕組みだから、地震発生前に速報を出すことはもちろんできない。予知との根本的な違い。予知科学の必要を痛感するけど、当分は無理だね。俺の勘では21世紀中は、地震を予知するのは無理なんじゃないか、と思っている。