生まれてはじめての入院・手術だったので、面白がってわがアタマの病気のことをこのブログに書いたら、何人かの友人から心配するメールが寄せられた。アタマの中が出血したと聞けば、みなさん一様に後遺症のことを訊ねてこられる。

 先日、2度目にして最後の検査を受けてきた。血腫のあとは完全に消滅していた。医師から「脳に勢いがある」と褒め?られた。左脳と硬膜の間に血腫ができて、手術前は脳全体が右側に圧迫されていたのが、今は正常な位置に戻っているのがCTスキャンで確認できた。後遺症はない。ただアタマの表面に5センチほどの手術跡が残っているだけである。

 頭痛、右手のしびれ、口のもつれ、ひどい耳鳴りは消えた。今思うと、病気がわかる数ヵ月前から夜中に右足がしばしばつった。脳の圧迫によってけいれんが起きることもあるらしいから(診断から手術までの3日間、てんかん防止の薬を飲まされた)、もしかしたら右足のけいれんも血腫に関係があったのかもしれない。それも今はない。

 硬膜下血腫は、脳に関わる病気のなかでは最も簡単に治療できる病気らしい。これが今から数十年前だったら・・・こうも簡単に完治しなかったろう。MRI(磁気共鳴画像)だのCTスキャンだのがなかったら、発症の初期に発見されることもなく、障害が顕著になってから「あたった」とか「ちゅーぶーになった」とか言われてボケ老人、悪くすると廃人扱いされたのであろう。ひるがえってわが悪運いまだ尽きず。

 すでにおやじの寿命より10年も長生きしてるし、有用なことをしてるわけでもないから、そろそろおさらばするのはかまわないけど、身動きならなくなって、まわりや国家の世話になるのは、まだ、ちぃーと困る。

 そう考えると最近の医療技術の進歩には感謝しなければなるまい。ありがたや、ありがたや・・・