蝶々痴人

　またまた蝶（幼虫）の室内飼育なんぞという、小学生の自由研究みたいな、しょーもないことをやっている。カミさんが嘲笑って「『マダム・バタフライ』ならぬ『じじバタフライ』」ですと！　蝶々爺、あるいは蝶々痴人か・・・

　春に８頭ほどのキアゲハを羽化させ庭に放った。そのうちの何頭かがときどきわが庭に戻ってきていた（足環をつけて放蝶したわけじゃないから、「わが家のキアゲハ」かどうかは定かじゃないが）。それがわがミツバ畑で産卵したものらしい。

　先月下旬に、大きさの違う２０頭ほどの幼虫を確認した。そのうちの１０頭ほどを室内の飼育小屋に移した。飼育小屋ったって、ありあわせの細木を組み合わせ、庭木用のネット２枚をクリップで止めたいいかげんなつくり。網の中だけでなく、いつの間にか脱走して、わが部屋の壁や天井の片隅で蛹になっていたりする。

　そのうちの１頭が２日前に羽化、その日のうちに外に放した。

　飼育網の内外に蛹になったのが５頭、これからも次々と蝶に変身するだろう。飼育網内にはまだ４頭の幼虫がいる。いずれも食欲旺盛で、鉢植えのミツバを入れ替えても、次の日にはすっかり食いつくされて坊主になってしまう。

「年長さん」は体長７～８センチ。蛹になる場所を求めて、泡喰ったようにせわしなく動き回るので、蛹化の時期が間近に迫ったことが分かる。グロテスクな芋虫の類だが、見慣れてくると、なんとなくカワイイ。

　同居する末娘の名前をもらって、幼虫どもに「〇〇1号」「〇〇2号」（〇〇は娘の名前）と名付けようとしたら、娘から「イヤだ。ヤメテ」と拒否されてしまった。娘は大の虫嫌い。嫌いを通り越して「怖い」のだ。

　 そういえば、今の人たち、特に女の子たちには昆虫嫌いが多いようだ。先日、札幌市の地下鉄構内などで大型蛾のクスサンが大発生した。若い女性たちが気味悪そうに避けて通るのがニュースになっていた。蛾も蝶も基本的には同じなんだけどねえ・・・まあ、あれだけデカイ蛾に顔近くを飛ばれたら、ちょっとビビるのは仕方ないかも。

キアゲハ羽化まで

幼虫は食欲旺盛。ミツバごと室内に移す

動きを止めて蛹のポーズをとる

ひと晩で蛹化完成。脱ぎ捨てた幼虫時代の皮が落ちていた。

蛹化９日目。表面が半透明に。内部がなんとなく透けて見える。頭部が黒くなる

蛹化10日目。蛹から出て来たばかり。まだ羽が伸び切っていなかった。蛹から出てくる瞬間は見落とした（泣）

羽が伸びる。ときどき羽を広げて乾燥させる？　蝶の左側の緑色は、もう１つの蛹、妹分

わが裏庭へ。うちのミツバ畑で産卵しろよ

　7月初め、わがミツバ畑で、すでに体長2センチ以上に育ったのからゴマ粒大のまで、キアゲハの幼虫10頭を見つけた。わが室内に、庭木の冬囲い用網で飼育小屋をつくり、鉢に植えたミツバを置き、大きく育った幼虫から順次、外から室内に移した。

　11日から16日にかけて、6頭が網の中で蛹化。イイカゲンなつくりの飼育小屋だから、4頭が脱走。１頭は隣の部屋の天井で蛹になっていた。1頭はサイドボードの陰で死んでいた。2頭はいまだ行方不明。

　18日朝、天井の１頭が羽化。さらに19日朝、網内の１頭が羽化した。それぞれ裏庭に放してやった。残るは5頭。20、21日と羽化なし。なんとか蛹から出てくる瞬間を写真に撮れないかと、夜も昼も目を光らせているのだが、羽化の前兆をなかなかつかまえられない。